イベントなどで世界の料理を再現して作っています。
その料理をどうやって手に入れたかということをときどき聞かれるので今回、そのことについて書いてみたいと思います!
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旅行中に世界中のいろんなレシピを集めている、という話を旅先で会った地元の人にしているとき
「はは〜ん!さてはいろんなところに出向いて、レシピをSteal(盗ん)で何か悪いことを考えているなー!」
と言われたことがあります。
それ以来、なんだか「盗む」というワードがいたずらっぽく聞こえるし、妙に気に入ってよく使っています。
というわけで、タイトルがちょっと物騒ですが、とにかく!私は世界中でレシピを盗んで来ましたww
イタリアではロレッタさんからレシピを!!
もちろん、世界でどこでも料理を直接教えてもらえたわけではありません。そんな時は本に頼ることもあります。
出先でレシピ本を買うこともありました。私の本棚に収められている一部の本。
しかし、それが本当に現地の味かどうか知らないものは作りません。
そのために気に入った国では外食もしっかりしました。
こちら、トルコのロカンタ(食堂)。
味はしっかり記憶されているのです、不思議なことに。
作ったらまず、むしゅに食べてもらいます。「こんな味じゃなかったっけ?!」
そして、あーでもない、こーでもないと、いろいろと議論を交わすのです。
現地の味ってそんなに大事なの?日本にも○○料理屋さんってあるじゃない!と思われるかもしれません。
もちろん、日本でも知ることはできます。しかし、現地では全く違うものを食べていた、ということもまたあるのです。
良い代表例が北インド。
インド料理といえば、バタチキ(バターチキンカレー)とナンはインド料理の王道のように扱われていますが
実は現地ではあまり食べられていません!
バタチキは海外に移住したインド人が作ったカレーだし(確かそうだった)、ナンのような高価なものよりチャパティが広く食べられています。
北インドに関していえば、現地はこんな感じ。チャパティーとたまごカレー。大衆食堂には肉が並ぶことさえほとんどありません。
私がレシピを盗むのに主に利用していたのが料理教室のようなところで習うのではなく、このサービスでした。
カウチサーフィン。
旅人とローカルを結ぶマッチングサイトです。”家泊めてよ!”(だからカウチ)から始まったサービスですが、
料理レシピを盗むだけで利用したこともあるし、もちろん寝食を共にしながら、交流を深めながら、の利用もあります。
このサービス、使い方次第で可能性は無限大です。
カウチサーフィンの意義についてはこちらをご覧ください↓
泊めてもらい、レシピをもらった代価として、我々は家庭日本料理を作ることが多かったです。
リクエストに「日本のご飯作るよ!」と言うと反応が良かったんですよね。
スシやラーメンは知っているけど、海外の人はそれを日本人が家で日常的に作って食べないことは何となく知っているのです。
だけど、普段何を食べているのか、までは知らないわけです。
日本の家庭料理を知りたい、という需要は当初考えていたよりも大きかったのが事実です。
ウクライナ・キエフで作った料理。左下から時計回りにちらし寿司、照り焼きチキン・アボカドソースがけ、肉じゃがです。
だいたいみんなよく食べてくれましたが、肉じゃがはどの国でもウケはよかったです。
豚で作ることも多かったのですが、豚肉を食べない国もままあったので、チキンで作ったり。
日本では鶏で肉じゃがを作ったことがなかったのですが、これまた美味しいんですよね!
材料が完全には揃わないので、何かと不思議な味付けになることもありましたが 笑、それでも楽しくレシピ交換しました。
実際に習わないと作れなかっただろうなーと思うこともありました。
レシピ本を開いたときに、私はどきっとしたことがありました。下写真の赤枠 dagの文字。
そんな単位知りません!調べてもよくわからないし・・・
それも地元の人に聞けばすぐわかるんですよね。
日本ではデシリットル(dl)でしか使わない”デシ”だったので、数字を10倍すればいいと言うことを教えてもらいました。
他にもレシピ本をひらけばgermと言う単語。わからない単語なので、辞書で調べると「細胞」と書かれています。
細胞っていう材料・・・?
これも地元の人に聞けばすぐ解決。
「これこれ!」
限定された使い方の単語でドライイーストを表すのでした。
ドイツ語の中でも、高地ドイツ語(バイエルンやオーストリアで使われるドイツ語)はメジャーではないので、調べても見つからないことが多々あるのです。
まだ溜め込んだレシピを日本で全て再現しているわけではないし、どれくらいうまく作れるかもまだわかりません!
世界のレシピが日の目を見て、いろんな人に食べてもらえるよう、精進しまーす!