昨日、インドから帰国しました。
誰がつけたのか、日本人の間で”世界三大ウザい国”と呼ばれている国があります。
それはエジプト、モロッコ、そしてインド。
エジプト、モロッコはアラブ人の住む国であり、アラブの国々・人々、そしてインドには多くの共通点があることがわかりました。
気持ちが新鮮なうちに、アラブの人々とインドの人々の共通点について報告、そして対処法も見つけた範囲で紹介したいと思います!
金儲けにかける情熱が大きい
これがウザい国と不名誉にも呼ばれる所以であることは間違いないと思います。
モロッコに行った時、土産物屋に行った時のことでした。商品を手に取ろうものなら、その商品がどれだけ魅力的か、複数買うとどれだけ安くするか、他にも置いてある商品がいかに素晴らしいものかを延々と説明してくれます。
どこに行っても皆同じ対応で、変わりなく、それがひつこいあまりにモロッコでは土産屋に入るどころか、声をかけられても一切相手にしなくなってしまいました。
さすが、アラブの商人と呼ばれるだけあります。
それに対し、インド人の商売は店に入りたくない、関わりたくない、というほどではありませんでした。
店に入って色々見て出て行こうとしても、執拗には追いかけてこないし、店員は「ノープロブレム」と。それだけ。(そうではない人もいるようですがw)
それでも、やはり金儲けに情熱を注ぐ人々は多くいます。ニューデリーでの出来事を一つ。
インド人オススメの観光スポット・インド門にて。
未だにこの門の何がオススメなのか不明。皆が口を揃えて勧めてくるのですが、これがドドン!とあるだけです。メトロ駅からも遠く、
パリの凱旋門のようなものなのかもしれないけれど、大気汚染が甚だしく数メートル先も見えない中、歩いて行きました。
商売熱心な人々は大体こういう観光客が集まるところにいます。
私はここからオートリキシャーをつかまえて、マーケットまで行くことにしました。
距離と価格の大まかな相場を掴んでいたので、金額交渉します。40ルピーと踏んでいました。それでも高く見積もっていたほうです。
するとドライバーはこう言います。
「オーマイゴッド!そんな金額で行ってくれるドライバーがいると思うかい?他のドライバーは80ルピーと言っていただろう?私は70ルピーにすると言っているんだよ。」
確かに他のドライバーは80ルピーと言っていたし、これ以上の交渉は面倒だし、70で折れることにしました。
走り出す前にもう一度、マーケットの名前を確認します。
「ところで、そのマーケットには何をしに行くんだい?」
「服を買いに行くよ」
「えーっ!知らないのかい?そのマーケットは全然良くない!品質は別のマーケットの方が断然いいんだ!」
と遠いマーケットを勧めます。
そこにも行く予定だったので、先に近い方のマーケットまで行くように言います。
「オーケー。ではこういう提案はどうかな。まず遠い方のマーケットにお連れする。そして今あなたが行きたいと言っているマーケットにはその後で送るよ。そんな感じでどうだい?」
「私は遠い方のマーケットはリキシャで行くつもりはないですから。早く近い方のマーケットまで行ってください!」
そこまで言い切ると、しぶしぶドライバーは走り出したのでした。
ちなみに、ドライバーの言うことはあてにならず、近い方のマーケットの方が地元の人が買う服がたくさん並んでいて、とても素敵なマーケットなのでした!
ただ単純に
遠いところに連れて行ける=儲けが出る
こういうことだったと思いますw
大事なのは毅然とした態度です!
あと、食べ物に関して量り売りのことも多いのですが、何グラムください、とか何個ください、というのは簡単に値段を上増しできるので、
「このお金で買えるだけください」
と言った方が騙されにくいです。
古い時代から、お金儲けは人生の目的の一つとしてインド人は教えられているそうです。
そういう背景もあるんでしょうか。
時間・約束を守れない
インドの車業界ではスズキなしに語れません。私はデリー空港に到着した際、現地のスズキに駐在している日本人と知り合いました。15年もインドで働いていらっしゃるとのこと。インドには行きたくない、と一度も家族が来てくれないと嘆いておりました・・・。
空港のタクシーというのはどんな国でも評判よろしくないのですが、デリーの空港も同じように不安だったので、私は予約していたゲストハウスにピックアップをお願いしていました。
私の名前の入った紙を持ってドライバーに向かわせるから、とのことでした。
しかし!探せど探せど見当たらない。駐在している方の迎えも来ていない。
「まぁね、こっちではそれが普通なんですよ」
その方と一緒にお互いのドライバーを探しましたが、違う日本人の名前のプレートを持ったドライバーが我々に「ねぇ、乗ってく?」と声をかけてくる始末です。
いやいや!あなたの任務を遂行してくださいww
駐在員の方のドライバーがやってきました。4人同じ便で向かうと伝えていたのに、3人しか乗れない車で来ているとのこと。
どういうことですか!
私の方もなんとかしなきゃ、とゲストハウスに電話してみると、あと30分待ってくれればドライバーは到着する、おそらく渋滞に巻き込まれているんだろう、とのこと。
ただし、タクシーで来ても構わない、タクシーの方が安いから、と言われたので、タクシーで行くことにしました。
宿に着くとこの紙が・・・
この紙が宿にあるということは・・・
まだドライバーをよこしてなかったようですねw
このゲストハウスのオーナーと何度かやりとりがしましたが、彼女の言う時間と実際の時間の違いは
30分と言うと大体1時間、10分と言うと実際は20分でした。
これは他人に対してだけではなく、自分に対しても同じようです。
次の例はアラブ人なのですが。
ギリシャでアラブ人の旅行客とカウチサーフィンしていた時のこと。
泊まっていた家から街に出るのにバスに乗っていかなければならず、そのバスの時間に間に合うことができず、彼は結局10キロの道のりを歩いて半日かけて我々に追いつきました。
他人に対しても自分に対しても、時間におおらかであることはどちらにも共通しているような気がします。
インドの空港もひどいものでした。
デリーの空港、国内線で飛行機3時間遅れを待っていたのですが、そこでも日本人に会うことができました。
「国内線は遅れと乗り場変更が本当に多いんですよ。しかもアナウンスがない場合もあります。」と言います。
インド人もさまよっている様子、乗り場確認に必死な様子がよくわかりました。
直前の乗り場変更も多いので、乗り過ごす客もいるんだとか・・・。
空港は広いので、お年を召した方々が急いで変更した乗り場へ急いでいる風景は本当に胸が痛みました。
簡易式の車椅子が大活躍しており、彼らの父母を乗せた車を押す息子たちの姿をよく見かけました。
私の乗る予定だった飛行機も11時発のはずなのに、受付チェックイン時にすでに搭乗時刻が11時50分になっていました!
しかも乗り場は空白・・・
そのくせ、デリー空港には”我々はサイレントな空港を目指します”と書かれた看板さえありました。
そんな遅れや乗り場変更が続くようであれば、サイレントな空港なんて目指さないでください!!と言いたい。
結局、私が乗った飛行機も乗り場変更が搭乗直前にあり、アナウンスなしで乗客が(会社の人ではなくw)乗り場変更になったよ!の大きな声でみんな気づいて大移動するというオチでした。
もうこれは対処しようがありません。絶対に守らなきゃいけない時間があるのなら(帰りの飛行機とか)見積もった時間の2倍以上は見ておくべきです。
私も帰りの飛行機に乗るために時間を2倍見積もっていたのですが、荷物を置かせてもらっていた宿が買い物留守していたため、1時間半宿の前で待ちぼうけして結局空港に着いたのはギリギリでしたw
自己主張が強い/声が大きい
ちょうど今、インドで起きている紙幣パニック。
偽札が多く出回っているため、インド政府は突如、今出回っている高額紙幣の無効を発表しました。
その紙幣は銀行で新しい紙幣に取り替えてくれるのと、ATMで通帳からの引き落としは可能だと。
そして私が訪れた時、銀行の前は毎朝、どこの銀行もすごい人の群がりでした。
もうこの列をなさない群がり具合を写真に収めることができなかったのが悔やまれます。
我こそは、と前へ前へと押しかける結果こうなってしまうのでしょう。
道を覆うくらい人が集まってきて、車が行き交うことができなくなり、警察か何かが出てきて取り締まると、こういう風に綺麗な列が作られるという・・・
銀行がどこかわからないくらい、並んでいます。
この時期に1日に引き落とせる金額は2000ルピーまで。そして、両替も2000ルピーまで。なぜなら2000ルピーしかまだたくさん印刷できていないからです。(この情報はとても変動的です。渡航の際にはその時の情報で動いてください!)
500ルピーも1000ルピーも今までのものは使えないままで、印刷もほとんどできておらず、まだほとんどの人が持っていません。あるのは2000ルピー、そして1日に手に入るのはこの紙幣たった1枚だけ・・・
しかし、この紙幣はかなりの高額紙幣なので、一般的なインド人が行くような店で使えるお札ではありません。
現在は今まで以上に使えないはずです。なぜならお釣りが500ルピーも1000ルピーもないから、その下の100ルピーでないとお釣りが返せない。
それなのに、並ぶのです。銀行が開いている時間が2時までと決まっていても、2時以降もATMのために並ぶのです。
朝からATMに並ぶ人の方がむしろ多かったかもしれません。
新しい紙幣に変えてもらうのを急ぐのはわかるのですが、貯金を下すのはそんなに急がなくてもいいのでは、と思うのですがw
そんな大きな紙幣を持っていても、大きな買い物しかできないはずなのに・・・。
車も少しでもスペースがあれば割り込もうとするのは当たり前だし(どんなに急いでいるのかと思いきや、その割にすぐ先で止まってお茶してたりする)、大きな道路はクラクションが四方から鳴り止むことなく響いています。
飛行機の中でも今まさに離陸という時に、ピンポーンとアテンダントの呼び出しボタンを押して「お水ちょうだい!」と・・・。
離陸直前だったので、さすがにCAさんもその乗客の元へ行くことができず無視せざるをえなかったのですが。
そういった自分の要求を通すために声が大きくなってしまうのは結果なのか、それとも元々なのかはわかりませんが、とにかく喧嘩しているのかというくらい声が大きいのはアラブ人もインド人も共通しているところだと思いました。
慈悲深い
最後にいい点を。アラブ人、インド人に共通して言えるいいところは慈悲深いところです。
いまだにカースト制が根深く残っているところは実際にあります。私もゲストハウスでサーバントと呼ばれる召使に対する厳しさを実際に目にした時は相当ショックでした。
物乞いはバケツを持っていろんな家や店を回っているのですが、みんな少しずつそのバケツの中に小銭を入れます。
街に座っている物乞いたちもそれなりに収入はあるようでした。
ただし、本物かそうでない者か判別がつく人がいるようで、メトロで座っていた子どもに対して「そんなとこに座っていないでちゃんと働け!」みたいなことを怒鳴られて逃げている物乞いもいました。
本当は働ける能力があったり、宗教の修行の身でなければ、インド建国の父・ガンジーの言葉「働いていない日に食べるパンは盗んだパンと同じだ」といった言葉を当てはめるのかもしれません。
信心深い人が多いためにこういった慈悲深さがあるのかもしれませんが、こういったところは見習うべきところだと思いました。
常識とかそういう言葉が全く通用しないカオスな国です。
ビザを取得するところから散々悩まされてきたインド。「来れるもんなら来てみろ!」とこちらに挑戦状を叩きつけているような気さえします。
それも魅力の多いインドでした。当分インドは行きたくないですけどねー