キューバに行って是非泊まりたいのが政府認定の民泊、
カサ・パラティクラルです。
普段、我々はインターネットを使って宿泊する宿を探していました。口コミの評価、値段を気にしているからです。
値段がする割に宿が良くなかったり、サービスが良くて安かったり。それは価格設定の自由・営業形態の自由が許されているからです。
だから事前に調べる必要を感じ、より良い宿を、より安い宿を、とリサーチしていたのでした。
我々も自由の世界の中に無意識にいたのでした。
しかしこの国は平等を謳っている世界です。このカサ・パラティクラルは設備によって価格は設定され、どこでもほぼ同じサービスを受けることのできる、旅行者にとってはほとんどハズレなしとも言えるシステムだと感じました。
設備によって価格は違うというのは、例えば個室なのか、家族の住む家の離れになって独立しているのか。キッチンは付いているのか。エアコンは付いているのか。ホットシャワーは出るのか(キューバはホットシャワー不要ですw 暑すぎて!)などなど。その設備次第です。
このシステム、社会主義になぞらえ「個性がない」、「停滞」と揶揄されるかもしれません。設備自体に個性は確かにないかもしれません。
そういう意味では「ここがオススメ!」とは言えないかもしれません。期待通りのものが期待通りにあるだけです。
だけど、迎えてくれるホストという家族の個性があります!
初日、赤ちゃんの世話をしながら迎えてくれ、初めてのキューバで最初にいろんなことを教えてくれた親切なホストのダネーラ、親子漫才を見ているかのように賑やかで笑わせてくれたラサロとマドレーヌ親子、料理上手でしっかり者のジュリア。
我々が泊まった3つの施設でも3つそれぞれの強烈な個性があり、設備サービスはほとんど一緒だとしても、それぞれで素敵な思い出を作ることができました。
しかし平均月給が(アメリカの調査によると)15ドルという中で、一組一泊してくれるだけでやすやすと平均月給以上は稼げてしまうビジネスではあるので、かなり厳しく、細かく政府のお達しがあるように感じました。
例えば。
スペイン語圏は割と出会って話すとすぐに”アミーゴ””アミーガ”(友達)になります。宿でも家族経営のような規模が小さいところではお金をかんだ関係であっても”友達”と呼ばれる関係になることが多い気がします。
しかしカサ・パラティクラルのホストは違いました。
帰るまでずっと呼びかけは”セニョール””セニョーラ”。
自分の貸している部屋であっても、ゲストがいる間は部屋に入る時は断りを言うし、ビーサンで歩いていても泊まっている部屋に入る時はビーサンを脱いで裸足で入ってくるなどなど。いろんな細かい部分でプロ意識を感じました。
そして、家族ならではの温かい雰囲気で我々を迎えてくれました。
ハバナに着いた時、ある程度目星はつけていきましたが、タクシーで適当に降ろしてもらって自分達で探しました。
この目みたいな、カタカナの”エ”みたいなマークがカサ・パラティクラルの目印です。そこがかかった看板のドアをノックします。
「今夜、泊まれますか?一泊いくらですか?部屋を見せてください。」
そんな感じで行けば良いかと。
泊まれなかったら、「今日は泊まれないよー」と言われるし、大丈夫だったら、部屋を見せてくれます。
キューバの民泊している家庭のリビングルーム。こうやって、キューバの日常を垣間見ることができるのも、民泊の醍醐味です。
どこもパリッとしたシーツが用意されていました。
「朝ごはんはどうする?」と聞かれることがあります。キューバの物価にしてはちょっと高いのですが、食糧を売っているスーパーや朝ごはんが食べられる食堂などを捜し歩くことが他の国よりちょっと難しかったこともあり、我々はお願いすることが多かったです。
これも値段によってグレードが変わります。フルーツジュースと卵、フルーツは決められているんでしょうか、それともキューバの定番朝ごはんなんでしょうか、どこでもいつも食卓に上りました。
料理上手のジュリアが作ってくれた朝ごはん。
ピンク色はグアバジュースです。ピンク色はグアバジュースです。これが美味!!
フルーツも豊富です。パパイヤ、マンゴー食べ放題〜。
炒り卵をお願いしました。ハムと玉葱入れてーの注文にも応えていただきちょっとグレードアップ。
右に立っている金髪の女性がジュリア。左はフロリダ(!)に移住しているというお姉さん。この時ちょうど凱旋帰国中とのこと。
えっ?!アメリカですか?!と聞き返してしまいました。
マドレーヌ・ラサロ親子の朝ごはん。
ピッチャーに入っているのがフルーツジュース。中南米によくある、フルーツジュースにお砂糖たっぷりという飲み方・・・。
甘すぎて飲めば飲むほど、のどが渇くという・・・
翌日からお砂糖なしでお願いしました。
ラサロ「母ちゃん、ほら言ったやろ!外国人にはジュースに砂糖入れたらいかんて!」
マドレーヌ「あーそうかー。」
漫才のような会話が笑えたので、初日はジュース激甘だったけど、問題ないですー。
マンゴー、バナナ、それからトマトっぽく見えるけどグアバ。グアバはこうやって食べるには種がいっぱいで、私はジュースにして飲むのが好きですー。
これからデートだというラサロは母親マドレーヌに服を着せてもらって願掛け?!をしていました。
出会いこそが旅の醍醐味だと思っている我々としては、キューバの民泊に泊まって本当に良かったです。
これからキューバにもアメリカの外資系の会社が押し寄せてくるんでしょうか。そうなると、この民泊システムはどうなるんだろう、と心配にもなります。とても素晴らしいシステムだと個人的には思っているので、なんとか存続してもらいたいと切に願っているのでした!