昨日もちらっと触れましたが、
チアパス州で活動するゲリラ組織・サパティスタというグループの中心地の一つである村へ行ってきました。
サンクリストバル中心部から乗り合いバス・コレクティーボでオベンティック行きに乗って向かいます。
ゲリラ組織とは言っても、武器で戦っているわけではありませんので、ご安心を。
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サパティスタが組織されたのは北米との自由貿易協定が背景にあります。
チアパス州のマヤ系の原住民族の人々はトウモロコシをはじめとする野菜を栽培し、国内で売り、貧しいながらも生計を立てていました。
しかし、自由貿易協定が結ばれるとなると、関税のかからない、安いトウモロコシがアメリカから大量に入ってくることになります。
そのため、ここで生計を立てている農家の人々は
「
この自由協定は貧しいチアパスの農民にとって死刑宣告に等しい」(
wikipediaより引用)
と立ち上がりました。
この自由貿易協定だけが不満ではありません。原住民が当たり前の権利を、当たり前に得ることができない。
教育、医療などまともに受けることができない状況・・・
そんな不満が500年(!)たまり、爆発したのが、このきっかけだったようです。
その不満、当初は武装蜂起という形でした。
ところが、貧しい彼らの武装行為なんて、手作りの武器です。政府はというと、カネもチカラもあるので空爆で反撃しました。
空爆によって150人余りの犠牲者が出てしまいました。
チカラでは勝てないと思ったサパティスタたちは、さらに武力で反撃するという愚かな方法は選びませんでした。
武器を捨て、IT・広報戦略をとるようになり、世界中から支持者を得るようになったそうです。
我々がこの村を訪れることができたのも、この広報戦略のためだったのでした!
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サパティスタたちは覆面をかぶっています。もちろん、女性もです。
壁画のように、男性は目抜き帽を、女性はスカーフを鼻から下に巻いていました。
村に到着。入口の反対側の建物にも絵が描かれています。
道を挟んで向こうが村のゲートです。常に女性が交代で監視しているようでした。
ゲートは車が来た時しか開きません。歩く人は女性の監視室の裏側に小さな入り口があります。
我々が中を見学したいと女性が言うと、男性を呼びに行き、名前・職業を聞かれ、書面に記していました。
許可が下りれば中を見学できます。
女性の監視室の裏にある、小さな商店。ここは許可なしに入ることができました。サパティスタのグッズ、関連の方が並び、許可を待つ人、ここに住む人がスナックなどを買いに来るようです。
1時間くらい待ちました。我々が到着した直後にやってきたアルゼンチン人のグループと入ることが許されました。
ここからは中に住む住民の一人に案内されながらの行動です。
他にも後から来たグループはいましたが、人数はたくさん入れないように調整しているようです。
中には入ることを断られる人もいるそうです。基準は不明です。
とにかく、中の建物には惹かれる壁画がたくさんあって、それを一枚一枚じっくり見たかったのですが・・・
実際に住民がいらっしゃるスペースなので、フラフラーっとガイドとは違うところに行ったりしないよう、軽率な行動には気をつけました。
この奥は学校になっているといいます。
ここに来てカタツムリの絵をよく見ます。武力行使のように瞬間的に何かが起こるわけではなく、広報活動という地道ではあるけれど、平和的に自分たちの権利主張や立場を知ってもらうという活動の象徴なのでしょうか。
詳しいことは聞いていないのですが・・・
ここが学校です。
我々が通された部屋には中に机や椅子が揃っていませんでした。2階に教室があるようです。教室にも壁画・・・とにかく見ごたえがあります!
最後にお土産屋さんに通されます。ここでTシャツが可愛くて買ってしまいました!
ゆるキャラ。もっと買いたかったけど、荷物が増えるのはダメなので我慢ー!
はじめに行った商店でステッカーを何枚か。これだとかさばらない!迷いに迷いました。
右のステッカー、トウモロコシの一粒一粒がサパティスタです。
帰りはコレクティーボを待つより、下写真の建物の前で乗せてくれる人を待てば良いです。サパティスタの村に住む人もそうやっています。
そのタクシー?で大きな町まで、そこから乗り合いバス・コレクティーボで帰ればいいみたいです!
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ゲリラというと、恐ろしいイメージがつきものですが、サパティスタたちはただ当たり前の権利を享受することを目指しています。
そして何より、広報活動の影響からか(?)グッズが可愛い!
グッズの代金はきっとさらなる広報活動や彼らの地位向上のための活動に反映されると信じます。
平和的なゲリラだし、Tシャツ着たり、ステッカーをどこかに貼ったり、そして私がここで書くことで、もっと多くの人に知られるようになればいいなと思います!