去年10月に帰国して東京から広島に引っ越し、今の仕事について2ヶ月が経過しました。
この2ヶ月、あっという間です。スケジュール帳も見てみてもガラガラだし、給料は東京にいた時と比べると半分以下。
それでも必死に走ってきた感があります。
いきなり変なこと書いちゃいますが、仕事ってなんでしょうか。
お金を得て生活していくため?
人の役に立つため?
2つとも大事なことです。
昔の私はこの2つしか考えに浮かびませんでした。
生活の中心になるにもかかわらず、肝心の”自分のこと”を忘れているのではないか・・・?
そんな疑問を持ち始めたのは外国の人と話したり、ドイツで働いた時の経験があったからです。
仕事の話になると「仕事、楽しい?」と聞かれることがあったし、ドイツでパン屋で働いていた時もいってらっしゃいの代わりに
「Viel Spass(楽しんで)」と言われます。
そして、13時間休憩なし勤務の日があっても実際すっごく楽しかったのです。
自分のやりたい仕事って、何かを作ることかもしれない。
自分を見つめて、しっかりと掘り下げて考えたのがこの時が初めてだったかもしれません。
この”自分のこと”というのは完全に自分のペースで、とか自分さえ楽しけりゃいい、ということではないことはなんとなくわかっていました。20代後半になると、社会の仕組みとかが少しずつわかってきて、勢いで飛び込むことができなくなる年でもあります。
そして貯金をして旅立ったのが30過ぎてから。
それでも、自分のしたいことを、していく。と漠然ですが、これだけ決めて出発し、後戻りのできない状況にして(笑)帰国しました。
10月に帰ってきた時にあまりにもお金がなくて、前の仕事にも戻る気が無かったので、とりあえず、の仕事を見つけたのが事務仕事でした。
2ヶ月の予定で雇われたのですが、初めてついた事務仕事、これが意外と楽しくて楽しくて。
自分の新たな面が見えたことも収穫でした。
そして、この事務仕事、もう2ヶ月延長して雇われることになります。
ここは派遣アルバイトが集まった職場で、いろんな職歴を持った人がいました。
私はその中で親しくなった女性がいました。その女性は一見、普通の主婦なのですが、アメリカ系航空会社に勤めていた職歴を持ちます。
キャリアウーマンの道を捨てるつもりでタイへ移住したのですが、やはり彼女から仕事は切り離せませんでした。タイでも旅行代理店のキャリアウーマンの世界に。
帰国後、彼女は結婚しますが、仕事一筋の道を歩んできたそうです。空港勤務のため、空港近くの街に引っ越しました。
結婚後も長く空港に勤めていましたが今は空港での激務を退職し、パート勤めをしていると言います。
仕事の話をする中で、彼女の仕事観について触れたことがありました。
「ある日、タイの航空会社が地方都市の空港に就航することになったの。その時私は空港での仕事を辞めていたけれど、声がかかったの。
これは私にしかできない仕事だ!と思った。こんな地方都市で空港勤務の経験がある人が多いとは思えない。
その上で、タイの人の気持ちを理解できるのは私以外にいないんじゃないか!ってね。給料や労務条件を見ても全然よくなかった。
だけど使命感を感じて仕事を受けたことがある。」
今はそのタイの航空会社は地方の空港からは撤退し、それと同時に彼女もまた退職したのだけど、そんなエピソードを話してくれたことがありました。
また別の人に話を聞いた時にも似たようなことを言っていました。
広島にあるジャンルの本屋がなくなった。これは自分がやらなければという勝手な使命感を感じ、起業した。と。
使命感という言葉が印象的です。
ドイツのパン屋・ウィーンのケーキ修行が使命感と言えるほどまだまだ自信がありません。自分が日本でできることを少しずつ積み重ねている途中です。
新しい仕事を始めて2ヶ月。歳はいっちょまえでも新人です。できない自分への情けなさでいっぱいですが、それでも日々は充実しています。
まかない。美味しいです。
週に数日、数時間。中途半端な働き方ですが、これが今、自分のしたい働き方です。
前の給料の半分くらいは稼げるかなと思っていたけれど、甘くない。思っていたより全然稼げません。それでも自分のしたいことをやっているから、いいのです。
求められることに応じていくのではなく、自分で考えて動く、ということも今、自分のしたいことです。
最初に仕事の定義としてお金を得るため、と書きましたが、お金を得ることだけが私は仕事だと思っていません。
ベイキング。とにかく作ってみる。試してみる。売るわけではありません。それでも私はこれも仕事だと思っています。
海外に来ているゲストを迎えること。旅行中に多くの人にお世話になったので、恩返しのつもりで始めましたが、今は使命感も少しずつ芽生えています。人対人なので、本気でぶつかればぶつかるほど、得るものは大きいです。
Iターンで田舎に引越し、町ぐるみのプロジェクトを立ち上げ、現在は株式会社を興している女性が言っていました。
資金繰りに悩んで涙したり眠れないこともあるけれど、こんなことでメソメソしているくらいではまだまだだ、もっと余裕でやっていきたい、と。
そんな女性がやっているプロジェクトはスケールがとても大きくて、もうすでに余裕の域かと思っていました。そんなことないのですね!
自分で何かをするというのは決して楽な道ではないことはもうすでに感じ始めています。それでも進んでみようと思うのです。
そんな2ヶ月の報告でした!