金ぴかのヨハン・シュトラウスの立つウィーン市立公園のそばにあるウィーン・コンツェルトハウス。
このコンサートホールはユーゲントシュティール(フランス語で言うとアールヌーボー)建築です。
ユーゲントシュティール建築はここだけでなく、セセッシオン、ウィーンの地下鉄などのデザインもそうで、街のいたるところで見ることができます。
チケットは今回もオンラインで購入しました。レファレンス番号を伝えればチケットに交換することができます。
ウィーン滞在中に3回公演を聴きに行きました。
中に入ってみます。入って右手にベートーベン像があります。この建物の近くにもベートーベン広場というところがあって彼の像があるのですが、館内にもありました。
夜のコンサートでは像の前にバーカウンターが設置されるため見にくいです。
ウィーンの社交場の一つでもあるので、コンサートより早めに来てワイン片手におしゃべりする人が多いでしょうかね。
モーニングコンサートではさすがにバーカウンターはなかったです。
大ホールはこんな感じ。ムジークフェラインとはまた違った美しさです。
1回目の公演はハインリヒ・シフ指揮のシューベルト交響曲第7番未完成、レオンスカヤのピアノでベートーベン協奏曲5番皇帝でした。
会場はレオンスカヤとシフというベテラン同士の組み合わせだったため、満員でした。
ハインリヒ・シフはさすが巨匠!といった音の響かせ方で、オケもレベルが違います。理知的でとても聴き心地のいい交響曲でした。ウィーンに来て間もなかった私は「ウィーンにいるんだ・・・」という実感が湧きました。
シフは杖をついて出てきたので、出てきた時は少しびっくり。会場の人も同様だったみたいです。
クリスティーネ曰く、先日見た時は杖も付いていなくて元気そうだったそうですが・・・。しかし、杖をついてゆっくり歩いて壇上に上がった人とは思えない力のある指揮でした。
レオンスカヤはグルジア出身・ウィーン在住のベテランピアニストです。視力が落ちているので、そろそろ引退なのでは?と囁かれているのですが、なんとも優雅な皇帝を聴かせてくれました!途中演奏が途切れそうになる場面もあったものの、それも気にならないくらいの美しい演奏でした。
いかにミスを少なくするか、というよりもいかに人を感動させるか、ということが本当に大事だということを感じました。
2回目はテツラフのヴァイオリンでシューマンの協奏曲。この曲は好きな曲だけに期待していたのだけど、うーん。私の期待していたものとは少し違っていたかな。
そのあとはブルックナーの交響曲4番。この国の人がブルックナーを演奏することって何か特別な気がします。オーストリア人だったブルックナー。音楽に国境はないけれど、それでもその国の人しかわからない、(言葉では表現できないけど)「何か」があるんですね。空気を吸うかのように、当たり前に演奏している「何か」。ロシア人がショスタコービチを演奏するときにも感じたことがあります。金管楽器の重厚感も圧倒されました。
3回目がモーニングコンサート。パーヴォ・ヤルヴィ指揮、アンデルシェフスキのピアノでモーツァルトの協奏曲。ブルックナー交響曲2番。
この組み合わせだけでも日本だと金額が跳ね上がり、満員になるだろうけど、朝のコンサートのためか、そんなにお客さんは入っていない。
協奏曲はよくある通り、噛み合わない部分もあったけれど、なぜか嫌みがない。もともとの演奏レベルが高いからかもしれないなぁと思ったり。
ブルックナーの前にコーヒーで眠気覚まし!ブルックナー長いし、2番はあんまりよく知らないんです。ごめんなさい・・・。
このコンサートの前日に知り合ったジャズピアニストのかなこさんとコントラバス奏者のあるとさんもこのコンサートに来ていて、クラシックに携わるお二人の話を聞くのが本当に興味深かった!
出口でマーラーを見つけて写真をパチリ。